鑑定・鑑別・宝石学教室



間違いだらけの宝石選び


2009/08/26
最近「ガラス含浸ルビー」が巷にあふれてきております・・・・

注意すべき点をお知らせします。 このルビーはバンコクで処理されております。 亀裂の多いルビーに高屈折のガラスを含浸させて外観的に傷を目立たなくしたものです。 現地の価格は石の大きさにあまり関係なく小粒石と大粒石のガイ単価は同程度の設定がなされている様です。
大きなルビーが低価格で入手できるメリットから人気を呼んでいます。 注意点としては含浸部分のガラスの硬度が低く薬品などにも比較的弱いので扱い方を間違うと石の表面がガキガキ状態になる事です。 ですから加工時や使用時には細心の注意を払ってください。 通常の使用では石には変化は起こらないと思います。

通常の天然ルビーでは稀にしかお目にかかれない様な大粒の石もよくみかけますし、10キャラットを超えるようなものも比較的安価で買えるようです。
ただ最近の含浸ルビーには以前のものに比べて含浸部分が多くなってきている事が少し気がかりです。
◇ ◇ ◇
最近人気の石にパワーストーンがあります。

よく鑑別に持ち込まれるのですがそのほとんどの石は単一の鉱物ではなく、何種類もの鉱物が混ざりあった岩石です。 ですから通常の宝石鑑別の手段での検査は不可能で、その石の成分分析が必要となります。 結果、その石を構成している元素を多い順番で並べた名称にて結果を出しております。
私には、それらの石が人にもたらすパワーのほどは分かりませんが、多分それらの鉱物の混ざり具合が大切なのかな〜なんて空想しております。
◇ ◇ ◇
コランダム(ルビーやサファイヤ)の加熱処理には次の3種類があります。

まず、何ら処理されていない非加熱の石。 次が千数百度の高温で加熱した石。 最後に最近問題になっている低温加熱の石です。
非加熱と高温加熱の石の鑑別は比較的簡単なのですが、低い温度で処理された石の鑑別は非常に難しく、数年前まではそのデータは完全には揃っていませんでした。
現在も海外の鑑別機関などでは、それらの低温の加熱を施されたルビーやサファイヤが間違って非加熱と鑑別されているケースがあるようです。

それらの石の検査には拡大検査、赤外分光検査、レーザートモグラフィー検査などが必要で、かなりの経験と、検査の時間が必要です。

昔の石は加熱されていない場合が多く、皆様のお婆様やお母様が使っておられたルビーやサファイヤがあれば一度、加熱・非加熱の検査をされてみてはいかがでしょうか?
当然ですが、色や外観が同程度なら非加熱の石は加熱処理された石よりずっと高価で取引されています。 (約5倍〜10倍の価格)


<戻る>


日宝協 総合研究所  宝石学教室  鑑定・鑑別  宝石豆知識  問い合わせ  日本宝石協同組合
(C) 2000-2017 日宝協 総合研究所 (本サイトの無断転載を禁止します)