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間違いだらけの宝石選び


2009/10/28
「含浸ルビー中の鉛ガラス」について

ガラスにははっきりした融点はありません。 例えぱ、市販のガラス(窓ガラス、ガラスコップなど)を加熱しますと、700度前後から変形します。 このように溶ける温度は明確にありません、ガラスの特有な性質のひとつです、また、ガラス原料を溶かす場含、1500度で数時聞加熱すればガラスになります。 さらにより低い温度、例えば-1000度〜1200度でも数十時間加熱すればガラスになります。

ガラスに鉛を入れる目的は、屈折率を上げてルピーに近づけるためです。 市販されている鉛ガラスは、通常24%〜30%の鉛を含んでいます。 しかし、ルビーに鉛ガラスを含浸させるという目的は、特殊なケースなので、もっと大量の鉛が使用されている可能性もあります。
さらに、鉛ガラスを容易に含浸させるため、ホウ素(B)を添加していることも予想されます。 ホウ素を10%前後添加しますと、ガラスがより低い温度で溶けて、含浸させやすくなります。

ルビーに鉛ガラスを含浸させる場含、ルピー自体も一定の温度まで加熱しておく必要があります。ガラスだけを加熱して溶けた状態にしても、ルビーの小さな剤れ目に鉛ガラスを含浸させにくいからです。
今後、ルビーを非加熱状態で、鉛ガラスを含浸させる方法も考えられます、それは、ソルゲル法と呼ばれるものです。

 それ故、ますます各種宝石の含浸処理の検査には、注意が必要な時代が来るものと思います。
補注:
ソルゲル法とは、アルコール成分とガラス成分を結合させ、この結含素材を利用して、室温でもガラスを形成させることができる方法です、アルコール成分が蒸発してガラスだけが残ると言う手法です。
現況では、ソルゲル法で造られるガラスの膜厚がミクロン単位と薄いため、宝石の含浸処理としてはもう少し改良の必要があります。
 


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