鑑定・鑑別・宝石学教室



間違いだらけの宝石選び


2009/11/27
コランダムの加熱について

数年前からコランダムの加熱の状況が変化したのでご注意ください!

(ミャンマー・モンスー産のルビーの青味を除去する目的で加熱した石)を検査する際に一部の鑑別業者が、その青味が残っているコランダムを非加熱と判断したために加熱業者が非加熱鑑別を得る目的で一部分に青味が残る低温加熱処理が広めたと思われます。

また1000℃以上の高温が可能な電気炉が高価だったという事も、低温加熱が普及した要因の一つだと思われます。

昔はコランダムの加熱は1500℃以上の高温で数十時間加熱し、色の改善を行っていました。 その為に石の内包物が溶けてしまうので鑑別も比較的容易でした。

しかしながら最近の低温加熱の場合は「下記」のとおり、一部の変化が見られるだけで、一見非加熱と思われる特徴を示す場合が多くなりました。

非加熱〜液体が膨張して液膜化する(400-500℃)〜カルサイトが変質する(800-1000℃)〜シルクとアパタイトの変質(1200-1400℃)〜ジルコンの変質(1200-1400℃)〜コランダム全体が溶ける(2050℃)


結論  以前の様にルーペでシルクを観察してコランダムの加熱と非加熱を判断するのは難しくなってきていますので、ご注意ください。
◇ ◇ ◇
ザッカリー処理トルコ石について

トルコの貿易商であるジェームス・E・ザッカリーによって開発されたトルコ石の新しい処理方法です。

この処理を施されたトルコ石は成分分析によりカリウム(K)の含有量が、無処理や通常処理のトルコ石よりも多く検出されます。

ガラスを作る場合、純粋なケイ素(Si)を融解する為には1550℃前後の高温が必要となります。 この融点を下げる目的でナトリウム(Na)またはカリウム(K)が用いられます。

問題のザッカリー処理のトルコ石は、カリウム(K)を混入したカリウムガラスを用いたものと思われ、その結果として、鮮やかな色彩と照り、硬度のアップを手に入れたものと考えられます。

外観の特徴としては「鮮やかなブルー」「表面がピカピカした艶」「水分をはじいた様な微小な照りムラ」などがあげられます。

このザッカリー処理を施されたトルコ石は「化学処理されたトルコ石」と分類されます。
 


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