Q4.宝石はいろんなふうにカットされていますが、もっとも好ましいカットとはどんなものですか?
A.宝石のカットは、それぞれの宝石が本来もつ性質を充分考え、宝石の第一条件である美し さというものを、最大限に引き出すようなかたちでなされます。 だから全体として好ましいカッ トなんてありません。 けれど、ダイヤモンドに相応しいカットがあり、エメラルドに相応しい カットがあって、オパールに相応しいカットがあるというふうには云えるでしょう。 

良質のダイヤモンドにはふつう、ラウンド・ブリリアント・カットというカット形式か施され ます。 図のようにカット面が多いのが特徴です。 ダイヤモンドの輝きの原因は、光の強い屈折 と反射によるものです。 だからこのようにカット面を多くして、いろんな方向から光を入れ、 内部でたくさん反射させるのが理想です。

エメラルドには、たいてい、エメラルド・カットが施されます。
エメラルドは割れやすい宝石です。 そこで、この平たい長方形の、四隅が切り取られたカットは、 衝撃の強さをやわらけ、エメラルドの割れやすいという弱点を、ある程度カバーしています。  また、割れやすいということは、カットする際に、ブリリアント・カットのような鋭く複雑なカッ ト面は得られないことを意味します。 しかしエメラルドはダイヤモンドのように「輝く」タイプ の宝石ではありません。 ダイヤモンドに比べて、石の内部で光を反射させる力はかなり小さい のです。 だからカット面をたくさん作って、光をいっぱい反射させようとしても無駄なのです。  むしろすくないカット面のほうがより理想的だと云えます。 繰り返しますが、宝石のカットと は、その宝石が本来もつ性質に沿って、その宝石の美しさを最大限に引き出すかたちでなされ ます。 ファッションや流行ではなく、それは科学的に計算されたものなのです。 エメラルド・カッ トは、割れやすいという欠点をカバーし、エメラルドの美しさを最大限に引き出すカットだと 云えます。 

この他には、カボション・カットという、まるい山形のカットがあって、これは特殊な光学的効果を示す宝石に用いられます。 たとえばスター(星形)効果を示すもの(スター・ルビーやスター・ サファイアなど)、あるいはキャッツアイ(猫目)効果を示すもの(クリソベリル・キャッツア イなど)、それから遊色効果を示すもの(オパール)などは、それぞれの効果が充分発揮される ようカボション・カットされます。 また、このカットは、特別の光の効果はなくとも、半透明な 宝石、たとえばヒスイ、不透明な宝石、たとえばトルコ石などにも使われます。 

*ラウンド・ブリリアント・カットやエメラルド・カットは、まとめてファセット・カットとよばれます。 ファセッ ト・カットには、他にもオーバル・カットやピアシェイプト・カット、テーパード・バゲット・カットなど、いろ んなタイプがあります。 

*カボション・カットにも、シングル・カボションやハイ・カボション、ロー・カボションやダプル・カボションな どのタイプがあります。





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